最近、鏡の前で髪を乾かしていたとき、
ふと
「髪ってどうやって生えてくるんだろう」
と思いました。
スキンケアを勉強しているうちに、
肌のターンオーバーや
角質の再生には詳しくなったけど
「髪の再生」について
学んだ時の感動を伝えたい。
ただの“死んだ細胞の束”
だと思っていた髪が、
じつは体の中で
絶えず信号をやりとりしながら
生まれ変わっている
この事実を知ったとき、
「人体って、すごい…!」と
心の底から感動したんです。
勇気とは怖さを知ることだ シーザー・A・ツェペリ
今回は、毛(頭髪)について
まとめてみようと思います。
Contents
髪は“ただ伸びている”だけじゃない
髪が細くなったり、
抜け毛が増えたりすると
「年齢のせいかな」
「ホルモンのせいかな」
と思いがちですよね。
でも本当は、毛根の奥で
細胞同士の会話がうまくいかなくなる
ことが原因の一つの様なんです。
髪1本を生み出す現場、
「毛包(もうほう)」の中では
ちょっと聞きなれない言葉ですが
毛乳頭(もうにゅうとう)や
バルジ領域(幹細胞がいる場所)
そして
それらを支える基底膜が
まるでチームのように働いています。
髪を伸ばしたり、抜け落ちたり。
肌の古い角質がはがれて生まれ変わるように
毛の脱毛自体は自然のことなんです。
私が驚いたのは、
毛が抜け落ちたあとでも
毛根はそのままそこにいて、
ちゃんと次の毛を作るために
待機する細胞たちがいて、
「そろそろ出番だよ」
と合図が届くと、また再び毛が伸び始める。
そんな再生の仕組みを知ったとき、
「抜け毛」や「老化」という言葉の裏に、
静かに働いている“生命力”を感じたんです。
毛根の中で起こる「会話」とは
毛包の中では、主に3つの登場人物が登場します。
ちょっとマニアックなので
面白くない人は太字だけサラッと
読んでもらえればOK!
① 毛乳頭:指令を出す司令塔
毛乳頭(もうにゅうとう)は
毛根の最深部にある“ボス”のような存在。
毛細血管から栄養を受け取り、
成長因子(FGF7、FGF10、IGF-1など)を分泌して、
「次の毛を生やす準備を始めよう」
と合図を出します。
② バルジ領域の毛包幹細胞:再生の職人
毛包の途中、少し上のほうにある
「バルジ領域」には、
毛包幹細胞が眠っています。
この細胞たちは、毛が抜け落ちた後は
“休眠モード”になっていますが、
毛乳頭からの
シグナルを受け取ると目を覚まし、
新しい毛包(新毛芽)を作り始めます。
幹細胞が分裂・増殖し、
新しい細胞の塊が下へ伸びていくと、
それがやがて毛乳頭を再び包み込んで、
次の髪の成長期がスタートします。
③ 基底膜:信号を運ぶルート
毛包の外側を囲む基底膜は、
外毛根鞘と真皮を隔てる“薄い膜”のような層。
でも、
ただの境界線ではないんです。
毛乳頭とバルジの間で交わされる信号分子が
この膜を通って拡散し、
幹細胞へ「そろそろ動き出して」
(毛、生やそう)と
メッセージを届けます。
基底膜には、
ラミニンやコラーゲンⅣなど
細胞の休眠を保ったり、
再生のスイッチを入れたりする成分が豊富。
まるで“通信ケーブル”のように働く膜なんです。
面白いと思いませんか?
毛根だって生きている
「再生する力」は誰の中にもある
この仕組みを知ったとき、
私はふと
“髪って生きてるんだな”
と思いました。
毛(毛冠)自体は生きていません。
主に角化(=細胞が死んで角質化)したケラチンの束で構成されていて、生命活動はありません。
いや、当たり前と言えば
当たり前なのですが・・・
毛が伸びることだけじゃなく、
抜けることも、再び生えることも
ちゃんとプログラムされた
サイクルの一部。
それは、
肌のターンオーバーや
心の回復にも
よく似ている気がしたんです。
ストレスで自律神経が乱れると、
毛乳頭がうまく血流を受け取れなくなり、
幹細胞への合図が届きにくくなる。
けれど、
またリズムが戻れば、
また少しずつ“再生の会話”が始まる。
——髪も、肌も、心も、死なない限り
ちゃんと「やり直す力」を持っている。
それに気づいた時、
「老化」や「変化」を怖がる気持ちが
少し軽くなった気がしました。

毛のケア
じゃあ、いつまでも美しくて
丈夫な髪でいるためにはどうしたらいいのか。
私は、
“再生のリズム”を整えること
だと思ったんです。
髪(毛)をいたわるというのは、
ただシャンプーを変えたり、
栄養を与えることではなくて
この
再生のリズムを守ってあげること
なんだと思いました。
例えば、
- 夜更かしを減らす
- 血流を促すように適度な運動をする
- 偏りなく栄養を取る
- ストレスを抱え込まず、呼吸を深くする
これらって、心身ともに
健康・美容の面でも
基本的だけど、すごく大切なことですよね。
私も含め、なにかと忙しい現代人は
ついつい手軽で簡単な方法を求めて
自然体で生きる事を忘れてしまいがちだけど
良く考えたら特別な事じゃない。
髪も肌も身体も心も
一番求めているのは
やはり基本的なものだと思うんですね。
こうした小さな習慣が、
毛乳頭や幹細胞の“対話”を助けて
髪の一本一本が、
今日もちゃんと生まれ変わろうとしている。
そんな事実を知るだけで、
シャンプーやドライヤーの時間が
少し優しいものに変わりました。
まとめ
鏡の前で髪を乾かす時間は、
いつの間にか自分の
「今」を映す時間になりました。
以前は、
白髪を見つけて落ち込んだりしていたけれど
今は少しだけ見え方が変わりました。
抜けるのも、生えるのも、
どちらも“生きている証”なんですよね。
注※ 毛(毛冠)自体は生きていません。
毛根の奥では、
今日も小さな細胞たちが
次の命を準備してくれている。
そう思うと、
「老化」や「変化」も、
ただの衰えではなく、
身体の中の“リズム”の一部なんだと
感謝さえ感じます。
髪を整えることは、
自分の暮らしを整えることでもある。
夜更かしを少し控えて
呼吸を深くして、
心にゆとりを戻してあげる。
そんな日々の積み重ねが
毛乳頭や幹細胞の
“会話”を助けてくれて、
また新しい髪を育ててくれるのかもしれません。
髪も、肌も、心も、
みんな同じように再生していく。
それを信じられたら、
年齢を重ねることが
少しだけ楽しみになる気がします。
何気ない毎日のルーティンが
自分にとって尊いものになれば素敵だな。
そんな風に感じる今日この頃でした。
今回もお読みいただき
ありがとうございました!











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