スキンケアを続けていく中で、
「自分に効く成分」って
なんとなくわかってきません?
私の場合、
吹き出物の跡が色素沈着してしまって、
早く消したくて
美白効能を探していた時期がありました。
その頃、
トラネキサム酸が入った化粧品を使うと、
なんとなく調子がいいというか…
肌の赤みやくすみが
落ち着いていた気がしていました。
もちろん、
他の成分との兼ね合いもあるので
「トラネキサム酸が効いてた」
とは断言はできません。
でも、あの頃の私は確かに、
「なんかいいのかも」
と思うことが何度もありました。
逆に
世間一般的に美白と言えば
おなじみのビタミンC系。
美白効果が高いといわれるけれど、
私の肌にはどうにも刺激が強いのか
合わないんです。
必ず、翌朝には黄クスミを起こしたような
くすんだ肌になってしまうんです。
遠回りこそが最短の道だった ジャイロ・ツェペリ
同じ成分でも肌との相性は人それぞれ。
だからこそ、
自分に合う成分を見極めることが
とても大切だと感じました。
Contents
「効く」って、結局どのくらい入っているかで変わる?
そんな経験を重ねるうちに、
ふと気になったことがありました。
――どのくらいの濃度で成分が入っているのか?
たとえば
トラネキサム酸が配合されているといっても、
ほんのわずかしか入っていないものもあれば、
しっかりと濃度を確保しているものもあるはず。
でも、パッケージのどこを見ても、
「何%入っているか」は
書かれていません。
これって、どうしてなんだろう
疑問の先には、
薬機法(旧薬事法)という法律が
深く関係していることがわかりました。
薬用化粧品の濃度は法律で上限が決まっている
薬用化粧品、つまり
医薬部外品には
法律で
有効成分の配合量に上限が定められています。
たとえば:
- トラネキサム酸:最大3%
- グリチルリチン酸2K:最大0.2%
- アラントイン:最大0.5%
これは
安全性の確保と医薬品との線引き
を守るためです。
どんなに効く成分でも
医薬部外品の化粧品は
法律で決められた範囲を超えて
配合することはできません。
つまり
薬用化粧品を選ぶと、
「安全性も保証されつつ効果はゼロじゃない」
という安心感があります。
要は、効果を期待しつつ
安全にスキンケアができるというわけです。
一般化粧品は効能は限定的だけど、濃度は自由
一方、一般化粧品(非医薬部外品)は、
薬用化粧品のように
厚生労働省の承認を受ける必要はありません。
つまり、
理論上は法律上の上限はなく、
メーカーの判断で成分を自由に配合できる
ということ。
なので、理論上は
トラネキサム酸を3%以上入れることも
可能だということ。
ただし、その代わりに
効能を明確にうたうことはできません。
だから、パッと見て
選べないんですよね…。
「シミを防ぐ」「ニキビを治す」
といった
医薬部外品レベルの効能表現ができないんです。
一般化粧品(いわゆる「非医薬部外品」)は
薬機法で定められた
56項目の効能効果の範囲の中でのみ
表現が許されています。
たとえば
「肌にうるおいを与える」
「肌をすこやかに保つ」
「肌のキメを整える」
「皮膚を柔らかくする」
といった
“おだやかな作用”を示す表現がその範囲です。
これらは「化粧品としての効能」
として認められている表現。
その範囲を超えて
効能を宣伝してしまうと
罰せられてしまうんですね。
でも
このルールを知っておくだけで
パッケージに書かれている言葉の
“裏側”が見えてきます。
表面からはほとんどわからない「濃度の真実」
ここで、もう一歩踏み込みます。
日本の化粧品は、
全成分表示が義務付けられています。
しかも
配合量の多い順に書くことになっています。
「それなら、どれくらい入っているかわかる!」
と思うかもしれませんが、
実はそう簡単ではありません。
たとえば、
こんな2つの化粧水を想像してください。
- 化粧水A:99%が水。残り1%に有効とされる成分が少しずつ配合
- 化粧水B:40%が水。残り60%が有効成分で構成されている
驚くことに、この2つの化粧水、
全成分表示がまったく同じ順番で
並ぶこともあり得ます。
理由は、2つ。
- 多い順になっていたとしても、どの成分がどれくらい入っているか分からないから
- 1%以下の成分は順番を入れ替えてもよいというルールがあるから。
つまり、
パッケージに書かれた成分表だけでは、
どれだけの濃度で成分が入っているかは
ほとんどわからないのです。
この「表面からは見えない現実」こそ、
化粧品選びを難しくしている要因の一つでもあります。

「濃度がわからない」ことが生むズレ
この不透明さは、
消費者にとって小さくない問題です。
- 本当に効くのか?
→ 成分量が少なすぎれば、実感を得るのは難しいかもしれません。 - 肌に合うのか?
→ 成分が多すぎても刺激になることがあります。 - 比較ができない
→ パッケージや広告だけでは判断がつかず、口コミ頼みになりがち。
つまり、私たちはいつも
「中身の濃度が見えないまま、
肌に合うかを探している」
という状態だったんですね…。
でも、これは
悪いことばかりではありません。
表示だけでは測れないからこそ、
自分の肌で確かめる姿勢が大切になるのだと思います。
それでも、選ぶときに意識したい3つのポイント
最後に、濃度が見えない中でも
より納得して化粧品を選ぶための
チェックポイントを3つまとめます。
- 成分の位置をチェックする
→ 有効成分が「水」「BG」「グリセリン」などの直後に書かれていれば、
ある程度しっかり配合されている可能性があります。 - メーカーの姿勢を見る
→ 信頼できる企業は、自社サイトや資料で「配合目的」や「濃度目安」を丁寧に説明していることが多いです。 - 肌の反応を観察する
→ 表示ではなく「自分の肌がどう感じたか」を基準に。
効く成分も、肌に合わなければ意味がありません。
まとめ
化粧品は見た目よりずっと奥が深い。
薬用化粧品は
「効能を語れるけれど濃度は制限されている」。
一般化粧品は
「書いてある効能は控えめだけれど、実は薬用化粧より”いいもの”なのかも」。
そして
どちらにしても、
表面からは
成分の“本当の濃度”は見えない
という現実があります。
けれど
それを知った上で選ぶことができれば、
化粧品との付き合い方は
もっと楽しくなるはずです。
「効く・効かない」だけじゃなく、
「どう効くか」「どう感じるか」。
自分の肌が教えてくれる声を、
これからも丁寧に聞き取って
もっと美しくなれたらいいですよね。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!











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