ここ半年ほど前から
自作化粧水とオイルだけという
シンプルケアに切り替えたことで
肌全体の調子が少しずつ
整ってきたことを実感していました。
Tゾーンのベタつきも少なくなって、
以前よりも化粧ノリがいい。
化粧水もオイルも
以前より少ない成分で
肌への刺激も最小限。
「これはもう完成形かも」
そんな風に思っていたのですが
ここ最近、
頬やあごに小さな吹き出物のような
ものを見つけることが増えて来ました。
肌自体の調子はいいのに
なぜ?
こういう現象が起きるのか――
最初は
ホルモンバランスや生活の乱れ
等からくる偶然かと思っていました。
でも観察を続けるうちに、
一定のパターンがあることに気づいたんです。
今回は、肌の調子はいいのに
なぜかポツッとできる吹き出物について
書いてみたいと思います。
Contents
ホルモンバランスの変化という現実
まず、原因として疑ったのは
ホルモンバランスについて。
40代に入ると、
体の中のホルモンバランスの
揺らぎが徐々に激しくなり、
少しずつ変わっていきます。
エストロゲン(女性ホルモン)の
分泌量がゆるやかに減少し
皮脂量や水分保持力のバランスが
揺らぎ始めます。
月経がなくなる閉経前後5年間、
合わせて10年間の更年期は
早い人で40代前半から始まります。
若いころのような「明らかな脂性肌」や
「乾燥肌」という単純な区分ではなく、
日によって肌の調子が変わる
「不安定なゆらぎ肌」に
なりやすすくなります。
しかも、
エストロゲンの減少は
毛穴まわりの角化
(角質の厚み)にも影響します。
ターンオーバーが乱れ
毛穴が詰まりやすくなることで
小さなできものや吹き出物が
発生しやすくなる──。
つまり、
ホルモンの変化は肌の
「ベースの状態」をゆらがせます。
この前提を踏まえると、
たとえスキンケアが完璧でも
肌の内側で起きている
“微妙なバランスの崩れ”が
吹き出物のサインとして現れても
不思議ではないんですね。
自作化粧水の安心感と落とし穴
そしてやはり、最近ずっと
好調だった自作化粧水について
自作化粧水には確かに魅力があります。
成分を自分で選べるので、
余計な添加物を避けられるし
敏感肌や混合肌の人でも、その時の
「自分に合わせた調整」が可能です。
でも、肌にとっては
見えないリスクも潜んでいる事に気付きました。
常在菌とpHバランスの微妙な関係
まず、肌表面の「環境バランス」。
人の肌には、
何億という常在菌が存在しています。
その中でも代表的なのが
「表皮ブドウ球菌」や「アクネ菌」。
この二つは敵ではなく、
本来は共存関係にあります。
健康な肌は、
弱酸性(pH4.5〜6.0)に保たれていて
この環境こそが常在菌のバランスを守る鍵。
でも──
自作化粧水を作るとき、
“成分のやさしさ”や“シンプルさ”
を優先しがちで、
意外とこのpHバランスを
見落としていたのかも?
と感じました。
たとえば、
精製水とヒアルロン酸、
アラントインなどを混ぜたとき
その液のpHは
中性寄り(pH7前後)になることがあります。
一見無害に思えても、中性の状態では
肌表面の常在菌がやや不安定になり
悪玉菌が増えやすくなるケースもある。
つまり
「刺激のない成分=肌に完全に優しい」
とは限らないんですね。
防腐の問題と「微生物の影響」
もうひとつ見逃せないのが
「防腐」。
防腐剤を使わずに作った化粧水は、
どうしても
雑菌やカビが繁殖しやすくなります。
たとえ冷蔵保存をしていても、
ボトルの口に触れたり
コットンを使ったりすることで
空気中の微生物が少しずつ混入してしまう。
私の場合は毎度熱湯消毒をしてから
スプレー式の遮光ガラス瓶に保存し、
使用していますが、
これが目に見えないレベルで肌に乗ると、
一見きれいに見えても
肌表面では
“常在菌バランスの乱れ”
が起きている可能性があります。
私が感じた
「調子はいいのに、ときどきできものができる」
という現象は、
まさにこの
“わずかな菌バランスのズレ”が
関係していたのかもしれません。
水分と油分の“黄金比”は、季節と年齢で変わる
自作化粧水とオイルだけのケアは、
とてもシンプルで、
肌への負担も少ない方法です。
ただし
肌の水分保持力や皮脂分泌量は
季節や年齢によって変化します。
たとえば40代では
皮脂の分泌は若い頃よりも減っている一方で、
角層の保水力も低下している。
そのため、
オイルでふたをするだけでは
「表面だけがうるおっているように見えて、
内側は乾いている」という
“隠れ乾燥”が起きやすい状態です。
この状態になると、
肌は「乾燥しているのに皮脂が出る」という
矛盾を引き起こし
結果として毛穴詰まりや
吹き出物が現れることもあります。
私が感じた「安心」と「課題」
自作化粧水を使い始めてから、
肌に触れるたびに
「余計なものが入っていない」という
安心感を覚えていました。
人工香料も着色料も、
界面活性剤もない。
私の苦手なアルコール類も
グリセリンもない。
ここにあるのは、
精製水・保湿成分・オイルだけ。
それなのに、
ふとした瞬間に小さなできものができる。
その理由を
一つひとつ考えていくうちに
肌というのは
“成分”だけで語れないものなんだ
と改めて感じました。
肌の常在菌、pH、ホルモン、
そして時間の経過とともに変わる環境──。
すべてが繊細に絡み合って、
「肌の今」を
つくっているのだと改めて感じました。
「完成品」が持つ安心と、手作りの価値
もちろん、市販の化粧水には
こうした問題を
防ぐための設計がされています。
- 安定したpH、
- 適切な防腐
- 酸化を防ぐ処方。
これら品質そのものだけでなく、
- 誤飲した時に毒性はないか
- 皮膚炎がおこらないか
- アレルギー反応がでないか
- 光を浴びた時、炎症をおこさないか
- 目に入った時に刺激にならないか
などを考慮して
製造会社のプロが製品化しています。
これらは、
検査機関での安定性試験を経て
「安心して使える品質」として
完成している。
そう考えると、
やはり市販品には“安心”という
大きな価値があります。
でも、私はそれでも
手作りをやめようとは思いません。
なぜなら、
自分の肌を
“観察する力”を育ててくれるのが
手作りの良さで、魅力を感じるからです。
今日は少し乾いている。
この時期は皮脂が多い。
この成分は合うけど、これは少し重たい。
そうした小さな変化に
気づくようになったのは、
化粧水を自作し始めたから。
ハイリスクハイリターン…
とまでは望まないけれど、
何事もバランスを見つつ
やってみたい!挑戦してみたい!
と思える事に注力できること
そんな日々に魅力を感じています。

これからの課題としての「バランスづくり」
今後は、自作化粧水の
防腐・pH・水分バランスを意識して
改良していきたいと思っています。
たとえば・・・
- 1,2-ヘキサンジオールやBGなど、安全性の高い防腐補助成分の適量化
- pHを弱酸性に調整するためのクエン酸微量調整
- 湿度や季節によって保湿剤の比率を変える
こうした調整を繰り返しながら
「添加物を最小限に抑えつつ、
肌のバランスを守る」方法
これらを探っていくつもりです。
今回の吹き出物を通して感じたのは
“肌が整っている”という感覚の裏には
目には見えない
「バランスの世界」があるということ。
それは
pHや菌のバランス、
防腐や酸化の影響、
そして年齢や季節による水分量の変化…
どれも一つひとつは小さな要素ですが
それらがほんの少し傾くだけで
肌は繊細に反応してしまうんだ
と思いました。
つまり
“シンプル=安全”ではないということ。
そして
“無添加=万能”でもないということ。
これらを踏まえて、これからは
安定した使用感を維持するための
「科学的な支え」も視野にいれつつ
“本当に必要なものだけ”で成り立つ
シンプルケアを
丁寧に続けていきたいと思いました。
おわりに
今回の小さな吹き出物は
一見「肌トラブル」だったけれど
私にとっては
肌の声をもう一度聞くきっかけ
になりました。
肌は、いつでも正直です。
少しの乱れやズレを
「吹き出物」や「かゆみ」という形で
教えてくれる。
そのサインを見逃さず
原因を一つずつ丁寧に探っていくことが
40代のスキンケアにおいては
大切なのかもしれません。
市販の化粧品が持つ「安心」と、
手作りの化粧水がくれる「自由な魅力」。
その両方を理解した上で
私はこれからも
自分の肌の声を聴きながら
できる限り 「本当に必要な物だけを」
という想いで
考察を続けていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。











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