昔は定番、今はレア?レゾルシンとニキビ成分の進化史

私、10代の頃は
今では信じられないくらい

思春期ニキビで悩んでいました。

頬にもおでこにも、
赤くぷつぷつとしたニキビ。

鏡を見るたびに気分が沈み
「どうにかしたい」と
いつも思っていた記憶があります。

だから人一倍、
当時からニキビケアについては
詳しかったと思います。

「これは皮膚科の薬」
「これは薬局で買える医薬品」
「これはスキンケア」──

そんな風に区別をつけながら
自分の肌に合うものを探していて

幼いながら、昔から今の私の様な
事をしていたことが懐かしいです。

さらに

母が看護師だったこともあり
薬の名前をよく聞いていたのです。

その中でなんとなく覚えていたのが
レゾルシン」。

なんだか強そうな名前で
ニキビに良かったイメージがあって、
当時の私の中では“頼れる成分”のひとつでした。

でも最近は
あまりその名前を見かけません。

「そういえば、
あれって何だったんだろう?」

ふと気になって調べてみると──
思いがけない発見がありました。

今回はそんな”レゾルシン”という
成分について書いてみたいと思います。

「レゾルシン」って、どんな成分?

そもそもレゾルシン(Resorcin)は、
19世紀から皮膚科領域で使われてきた
非常に歴史のある成分です。

フェノール系の化合物で
簡単に言うと

「角質をやわらかくして剥がす力」と、
「殺菌作用」の両方をあわせ持つ成分。

古くから

ニキビ治療薬
フケ用の外用薬、さらには
皮膚の角化症などにも使われてきました。

つまり

毛穴詰まりを防ぎ
アクネ菌の繁殖も抑えるという

ニキビケアにとっては
理にかなった成分だったのです。

今でも医薬品のニキビ薬──

例えば、昔からある
「クレアラシル(医薬品タイプ)」
などには配合されています。

だから、レゾルシンは
“消えた”わけではなく

いまでも確かな効果を認められている
現役の成分”なんですよね。

ただし──

その姿を
化粧品や医薬部外品の世界で
見かけなくなったのは事実です。

それはどうしてなのでしょうか。

なぜ、最近は見かけなくなったのか?

一言でいえば、
「刺激」と「時代の変化」です。

レゾルシンは
角質を溶かす力があるため

肌のターンオーバーを促したり
皮脂づまりを改善したりといった

皮膚を動かす力”が強い成分です。

そのぶん
敏感肌や乾燥肌の人には刺激が出やすい
ということが課題でした。

昔は
「多少しみても効けばいい」
という時代でしたが

今は
「低刺激」
「肌にやさしい」
「バリア機能を守る」

ということが重視される時代。

時代と共にスキンケアの
価値観そのものが変わったのです。

また

化粧品技術が進化して、
同じような効果を
もっと穏やかに発揮できる成分が
次々と登場したことも大きい理由です。

たとえば、最近よく見る

  • サリチル酸(角質軟化+抗菌)
  • グリコール酸や乳酸(AHA)
  • ナイアシンアミド(皮脂抑制+抗炎症)
  • アゼライン酸誘導体(抗菌+角質ケア)

など…

こうしたマイルドで安定性の高い代替成分
主流になっていったため、
レゾルシンの出番は少しずつ減っていきました。

それでも、根強く残る理由

ただし、レゾルシンは
完全に過去のものではありません。

その「強さ」が必要とされる場面では
いまだに第一選択です。

たとえば、

皮膚科での角質溶解剤や、
ケミカルピーリングの一種として

高濃度で専門的に使われることがあります。

また、
白髪染めやヘアカラー剤にも
微量ながら使われていることがあります。
(※酸化染料の一部として。)

つまり

一般化粧品からは姿を消しても
医療現場ではまだ現役なのです。

成分の「見え方」は 時代で変わる

この変遷を見ていて
面白いと感じるのは、

「いい成分」「悪い成分」という
単純な話ではないんですよね。

昔は“効く”ことが最優先。

少し刺激があっても
薬というものも数少なかったからか
効き目がある=良い薬」だった。

でも今は、

“肌を育てる”“守る
という考え方が主流で

一時的な効果よりも
長期的な健やかさ」が
重視される傾向があるんですね。

たとえば

同じ「殺菌作用」でも
昔はレゾルシンやサリチル酸が主役だったのに

今はいきなり”殺菌”してしまうんじゃなくて、
抗炎症成分やバリアサポート成分で
肌をサポートしようというのが主流。

そう考えると

レゾルシンが悪者になったわけではなく、
時代が求める
“やさしさ”の基準が変わった
だけなんですよね。

時代とともに変わる「良いもの」の価値

私、ふと思い出したんです。

明治生まれだったひいばあちゃんが
歯を磨くときに

ガーゼを指に巻き付け、
「塩」を付けて指で磨いていたこと。

私は当然、もう歯ブラシで磨いていましたが
ばあちゃんの日常はそれが
正しい歯磨き”だった。

今は、歯磨き粉や歯ブラシが進化して、
より衛生的で快適な方法が
当たり前になっていますが

スキンケアも
それと同じなのかもしれない
と感じたんです。

昔は塩で歯を磨き、
レゾルシンでニキビを治していた。

でも今は、もっとマイルドに
肌の仕組みに寄り添う方法がある。

時代が進むほど

人が求める「美しさ」の定義が変わっていくんだなと改めて感じました。

今の私が思うこと

最近の私は、肌を
整えること”に重きを置くようになりました。

刺激の強い成分で
無理に抑え込むのではなく

肌の機能そのものを
支えるようなケアを心がけています。

それは、昔のように

「早く治すべき」ではなく、
「長く健やかでいたい」
という方向にシフトしたから。

レゾルシンのような
“昔の名薬”を振り返ると、
今のスキンケアの進化をしみじみ感じます。

時代が変わっても、
「きれいになりたい」という気持ちは同じ。

ただ、そのアプローチが
少しずつ穏やかで、
やさしいものに変わってきた──

それって、なんだか
素敵なことだなと感じたんです。

まとめ:レゾルシンが教えてくれたこと

レゾルシンは、今も昔も
「効く成分」です。

ただ、
肌との向き合い方が変わったことで、
その姿を見かける機会が減っただけ。

それでも
確かな効果を持ち、
長い年月を経ても
現役で使われ続けているというのは

それだけ信頼のある成分である証拠ですよね。

強さ”から“やさしさ”へ。

スキンケアの価値観が変わる今、
レゾルシンという成分は

「過去の成分」ではなく
「時代をつなぐ成分」なのかもしれません。

こんなふうに
ひと昔前の成分を振り返ると

「今の常識」もいずれは
変わっていくんだろう
なと感じます。

その変化を楽しみながら
自分の肌に合うものを見つけていけたら──

それが、40代の私にとっての
“これからのスキンケア”なんだと思いました。

今回もお読みいただき、ありがとうございました!

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