SNSを眺めていると
時折、強い印象を残す
広告が流れてきます。
大きく写ったシミが、
次のシーンでは
まるでなかったかのように
消えている画像。
「さすがにこれは……」
と思いながらも
なぜか目が離れなかったことを
今でも覚えています。
私が当時購入したのは、
市販されていた
「薬用ホワイトニングクリームTA」
という商品でした。
「医薬部外品」
「薬用」
「肌の専門家●●さんが推奨」
その言葉のすべてが
当時の私には
十分な安心材料に思えたからでした。
今回はそんな私の
過去の苦い経験から
ネット通販の闇について
書いてみようと思います。
Contents
なぜ、その言葉を信じてしまったのか
今振り返ると、
私は
商品自体を見ていたのではなく
“期待できそうな物語”を
見ていたのだと思います。
シミに悩む時間が長いほど、
「これで終わるかもしれない」
という言葉は
魅力的に映ります。
化粧品検定1級を取得し、
薬機法や成分の役割を
学んでいる今だからこそ
当時の自分の判断を
少し冷静に
見つめ直せるようになりました。
販売会社を調べてみようと思った理由
私も、小さいながら
会社の代表を務めさせてもらっています。
だからこそ
感情ではなく、事実として
確かめてみたくなったのです。
「この商品を
販売している会社は、
どんな会社なんだろう」と。
そこで利用したのが
経済産業省が提供する
法人情報データベース
gBizINFOでした。
表示された「清算結了」という文字
商品に記載してある販売元の会社名、
ヒューマンサイエンスラボ株式会社
を入力して検索。
すると、
表示されたのは
次の文言でした。
「登記記録の閉鎖等の事由:清算の結了」
つまり
その会社はすでに
法人として
存在していない状態でした。
「清算結了」は倒産とは異なります
ここで、
少し整理しておきたい点があります。
「清算結了」は
一般的に想像される
倒産とは異なります。
会社が
事業を終え、
資産や債務を整理し
法人格を正式に終了させた状態
を指します。
法律上、
手続きを踏んで会社をたたんだ
正当な形です。
ただし
消費者の立場から見ると、
その意味合いは
決して小さくありません。
会社の履歴|わずか2年半という期間
登記情報から読み取れる
ヒューマンサイエンスラボ株式会社の履歴は
次の通りでした。
- 2017年2月 設立
- 2019年8月 清算結了
法人としての期間は
約2年半。
長く信頼を積み重ねる
メーカー型の企業とは、
少し異なる
時間軸であることが
わかります。
所在地は
大阪市中央区南船場。
登記上は
レンタルオフィスの住所でした。
「発売元」と「製造販売元」は別だった
商品パッケージを
改めて確認すると
次のように
記載されていました。
- 発売元
ヒューマンサイエンスラボ株式会社 - 製造販売元
フェイスラボ株式会社
製造販売元である
フェイスラボ株式会社は、
OEMを手がける
実績あるメーカーです。
(今もちゃんと存在しています)
つまり、
中身そのものは
法令に沿って
きちんと作られている
という構造でした。
私が「おや?」と思ったのは
「どう売るか」を担う
発売元の側でした。
広告表現について|化粧品検定1級の視点から
当時の広告を、
今の知識で見直すと、
いくつか
気になる点がありました。
ビフォーアフターの印象
医薬部外品で認められている効能は
「メラニンの生成を抑え、
シミ・そばかすを防ぐ」
という予防表現です。
「今あるシミが消える」
と受け取られかねない表現は、
慎重である必要があります。
「ピンポイント」という言葉
化粧品や医薬部外品が
「特定の部位だけに
選択的に作用する」
という表現には、
科学的な裏付けが
求められます。
でも、
そんな表記は見当たらないし
誤解を訂正するための
注訳もありません…
残されたレビュー|声は今も残っている
なお、
本商品は、現在も
大手ECサイト上で
過去の購入者のレビューを含んだ形で
確認することができました。
「期待したほどではなかった」
「広告の印象と違った」
会社が
清算結了している今、
こうした声は
ただ過去の足跡になっているだけ。
この点は、
ネット通販ならではの
構造的な特徴だと感じました。

私がこの経験から得たこと
この出来事を通して、まず、
私が強く感じたのは
肌を守ることと、
判断力を守ることは
切り離せない
ということでした。
- 会社の履歴を見る
- 成分の「できること・できないこと」を知る
- 広告が感情に強く訴えていないか、立ち止まって考える
これだけで、
選択の質は
大きく変わります。
また、
考えたくはありませんが、
ひとつの事実に行き当たりました。
ネット通販では、
悪いレビューやクレームが
積み重なっていった場合、
会社を清算し、
法人を終了させたうえで
別の会社名で再スタートすることが、
制度上は可能である
という現実です。
これは、
特定の企業を指す話ではなく
登記制度と
ネット販売の仕組みが
かみ合ってしまった結果、
成立してしまう構造だと感じました。
もちろん、
すべての短命な会社が
そうした意図を持っている
とは限りません。
ただ、
消費者の立場から見ると
その見分けがつきにくい
仕組みであることも、
また事実だと学びました。
まとめ|消えた会社が残したもの
ヒューマンサイエンスラボ株式会社は、
すでに
法人として存在していません。
けれど、
この仕組み自体は、
今も
形を変えて
続いています。
だからこそ、
私は
この経験を
静かに
言葉に残したいと思いました。
誰かを責めるためではなく、
次に選ぶときの
視点として。
この記事が、
そんな
小さな判断材料の
ひとつになれば幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
※本記事は、筆者個人の購入体験と、
公開情報(登記情報・成分表示・法令)をもとにした一消費者としての考察をまとめたものです。
特定の商品や企業を誹謗中傷する意図はありません。









